看護師になって数年働いたけど、出産・子育てを機に看護師としてのお仕事から遠ざかってしまった人って結構いますよね。
そのままあれよあれよと時は経ち、気がつけば10年のブランク。
ようやく子育てもひと段落したし、もう一度看護師として働きたい!
そう思ってみても、さすがに10年も経ってしまうと復職するのは勇気がいります…
果たしてやっていけるのか、ついていけるのか、不安になるのも無理はないです。
日進月歩の医療の世界。
1年でも色々変わるのに、10年経っちゃったら浦島太郎状態です。
看護師は責任も重大ですし、安易な考えでは勤まらないと思えば思うほど、復帰の道は遠く感じるものです。
看護師免許はあるのに、看護師として働いていない潜在看護師は全国に何人くらいいるかご存知でしょうか。
その数、なんと70万人!
団塊の世代が後期高齢者になるまでに、看護職員はあと50万人は必要と言われていますが、潜在看護師の方々がみんな復帰してくれたら解決するじゃん!というほど、免許はあるけど、働いてはいないという人がたくさんいます。
そういう方たちが一人でも多く、医療の現場に復帰できるように、ブランクが長い人がどうやったら上手に看護職に復帰できるのか、その秘訣をご紹介していきますね。
ブランクナース・潜在看護師が最も抱えている不安とは
長いブランクを経て、いざ復帰してみよう!と一大決心しても、そこにはたくさんの不安が付きまといますよね。
そもそもどうやって就職先を探したらいいのだろうとか、こんな自分を受け入れてくれる職場は見つかるのだろうかとか、考えればきりがないくらい不安だらけですよね…
では、その不安の中で最も多くの人が抱えやすい不安は何でしょうか。
医療の現場について行けるのか
一番の不安は、医療の現場に自分がついて行けるのかどうかではないでしょうか。
やはり、医療の現場は日進月歩。
最先端技術を使うような高度救命センターに行かなくたって5年、10年経っていればいろんなことが変わっています。
カルテはパソコンだし、患者さんはみんなバーコードのついたリストバンドつけてるし、医療知識以外のところでもいろんなことが変わっています。
知らない薬は山のようにあるし、ジェネリックなんかもあるから覚えなくてはならない薬の名前は余計に増えました。
採血や点滴の針だって、事故防止のための策が色々練られ過ぎてもはや、キャップの開け方も分からないとか。
飛び交う略語も、自分の時代とは違う言葉だったりして大混乱。
何の準備もなく、いきなりそういう環境に飛び込んだらついていけなくなってしまうかもしれませんね。
仕事とプライベートの両立が出来るのか
厚生労働省の調査でも、退職の一番の理由は「出産・育児」でした。
やはり、子育てを機に仕事を辞め、育児がひと段落したところで再びチャレンジしようという人も多いはず。
そうすると、不安に思うのが子育てと仕事の両立です。
特に、看護師は簡単には休めない仕事というイメージが強いですし、患者さんの容態が変わったら、残業せざるを得ないということだってあります。
今まで家事や育児に専念できていたものが、そういう職場で果たして両立が出来るのだろうかというのは大きな不安になりますね。
復職する前に必ずやっておいた方がいい、3つのこと
不安を少しでも解消するために、ブランクナースがやっておくべき、大事な復職への準備があります。
私が一番大事だと思うものを、3つ取り上げたいと思います。
医療知識の復習
医療現場について行けるのか、この不安を解消するためには、やはり今の知識を取り入れること、そして忘れてしまっている知識を復習して記憶を呼び起こすことです。
昔自分が新人の頃に使っていたような参考書を振り返っても、今の知識は学べません。
最新の知識を学ぶためには、復職支援セミナーなど外部研修に参加したり、本を購入したり、もっとお手軽に携帯アプリで学ぶことも出来ます。
復職支援セミナーは看護協会や各都道府県、市町村が開催していることが多く、参加費も無料のものもあります。
講義による知識の復習や、採血などの実技練習ができるセミナーもあるので、内容をよく確認して申し込みをされた方がいいと思います。
情報収集
今の現場で働いている同期や先輩後輩などから、現場の話を聞いておくというのも大事だと思います。
自分が働く職場を選ぶうえでも、参考になると思います。
少しでも不安を解消させるためには、現場を知ること。
職場見学も行けたら一度行ってみると良いと思います。
実際の現場に足を運ぶことでよりイメージもしやすくなるでしょうし、昔の勘みたいなものも取り戻せるかもしれませんよ。
2015年より、法律の改正によって看護職の労働環境の整備の推進のため、看護師を離職するときに離職届を看護協会に届け出ることが義務化されました。
と言っても、努力義務なので必ずというわけではありませんが、離職届を出しておくと復職の意向に合わせてナースセンターから無料で再就職に関する情報を得ることが出来ます。
2015年以降に離職された人は職場の病院が本人の同意を得て、代行して届け出てくれる場合もありますが、それ以前に離職している人は自分で届け出なければなりません。
届け出る方法は二つあります。
一つはネットでの届け出です。
こちらの「とどけるん」から届け出ることが出来ます。⇓
もう一つは最寄りのナースセンターの窓口に行って、届け出る方法です。
届け出をするときは、このいずれかの方法で行ってください。
体力づくり
何と言っても、看護師の仕事は体力勝負。
仕事だけでも大変なのに、今度は家事や育児との両立という大きなミッション付きで復職する人も多いでしょう。
そういったことがなくても夜勤がある病院に就職すれば、一気に自分の生活のペースが変わります。
生活のリズムの変化に耐えられるだけの体力はしっかり作っておかないと、復職早々に体調を壊してしまいかねませんね。
職場選びの3つのポイント
ブランクが長い人が復帰するときに選ぶ職場は、どんなところがいいのでしょうか。
職場選びを間違えると大変なことになってしまいますので、ここは慎重に選ぶべきですね。
ここでは職場を選ぶときの3つのポイントについて説明していきます。
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サポート体制
新人を育てるプログラムは充実していても、中途採用を育てるプログラムがしっかりできていないという職場は多いかもしれません。
プリセプターはつけてもらえるのか、研修は受けられるのかなど、サポート体制がどうなっているのかはしっかり確認した方がいいと思います。
大きな病院だから大丈夫だろうと油断してはいけませんよ。
大きな病院こそ中途採用には即戦力を求めていて、中途採用の人まで育てている余裕なんてないと放ったらかしにされることもあります。
私が以前、勤めていた総合病院も中途採用の人の育成プログラムが無くて、院内研修も受けたいと本人が希望しても、人員が足りなくなるからと受けさせてもらえなかったケースもありました。
スタッフの年齢層と在職年数
一般的に急性期の病院は、比較的年齢層が低い傾向にあります。
これは人の出入りが激しく、重症者のケアに当たることが多い環境なので、ある程度体力が求められることや、若い看護師が経験を積む場として選ばれることが多いというような理由が考えられます。
ブランクが長い人がそういった環境にいきなり飛び込むのは、かなり大変かもしれません。
若い人ばかりだと子育てに対する理解も薄いですし、仕事との両立をする上で肩身の狭い思いをしてしまうかもしれません。
また、長く勤めている人がどれくらいいるのかというのもポイントです。
長く勤めている人が多ければ多いほど、その職場は働きやすい環境である可能性が高いからです。
産休や育休を取ることが出来て、仕事復帰も出来ているという人が多ければ、子育てに対する理解もされやすいですよね。
なので、単純なスタッフの年齢層に加えて、平均在職年数もチェックしておいた方が良いと思います。
ちなみに厚生労働省の調査によると、看護師の平均在職年数は平成28年度で8.0年でした。
これを目安にご自身の希望する病院がどれくらいの平均在職年数なのか、確認してみてください。
スピード感
病院や科の特色によって職場のスピード感は違いますよね。
救命病棟や産婦人科などは状態の急変が多いので、常に慌ただしい感じですし、リハビリ病棟や療養型の病院などはゆったりとした時間が流れています。
ブランクが長かった人にとって、慌ただしい病院での勤務はかなり大変だと思います。
まずはゆっくり勘を取り戻していけるよう、忙しすぎないゆっくりめな職場を選ぶ方がいいと思います。
療養型病院や介護施設、クリニックなどがおすすめです。
また、自分が以前働いていた時に経験した科を選ぶというのもいいと思います。
ある程度、基礎が出来上がっているので自信を持って働けると思います。
しっかり情報収集してブランクを克服しよう!
ブランクが長くなればなるほど、復帰してまた看護師として働くのには勇気がいりますよね。
責任重大な仕事だし、覚えることもたくさん。子育てとの両立となれば尚更です。
まずは、ご家族ともよく相談して協力体制を整えることも大切だと思います。
自分一人でがんばろうとしないで、周りの手助けも受けながら働いていくというスタンスで始めた方が長く続くと思います。
職場を選ぶときはしっかり情報収集をして、自分に合った職場で無理なく働けるようにしていきましょう。
せっかく資格を活かして、もう一度看護師として働くことを選んだんですから、イキイキと充実感を持って働ける職場を見つけてくださいね。