新人看護師の間は、よく同期と比べられてしまうもの。
4月に同時に入ってきたまっさらな新人さんは、同じスタートラインに立つわけですから比較されやすいんですよね。
また、自分自身でも同期と自分を比較して、自分はできないと落ち込むことって多いですよね。
私Yukiも新人看護師の時は、要領がよく何でも早く出来る同期がうらやましくて仕方ありませんでした。
今回はそんな同期と比較されてつらかったり、落ち込んでしまっている新人看護師さんに、同じ経験をして先輩になっていった私から、ささやかなアドバイスを贈れたらと思います。
新人看護師、同期との比較…一番分かりやすいのが「夜勤」
夜勤にいつから入るかのタイミングって、結構分かりやすく先輩たちの「比較」が現れるところですよね。
誰から夜勤が始まるか、いつまでも夜勤に入れてもらえない、夜勤の数に明らかな差がある…など。
夜勤はやはり日勤より担当する患者さんの数が増える分、どうしても要領がよく物覚えが早い人から開始されます。
これは管理職で勤務表の作成なども行ってきた私の経験からもそうですが、誰からなら入れそうかと先輩たちは相談して、要領のいい子を選出します。
夜勤に入れてもらえないというのもやはり、何かしら夜勤を任せるには心配なところがあるということだと思います。
オーバーワークになるとミスをしやすい、困ったことがあっても自己判断で行動してしまう、という傾向にある人は夜勤を入れるタイミングがどうしても慎重になってしまいます。
あの子はもう夜勤を始めているのに、私はいつまでも入れてもらえないというのはとても落ち込みますよね。
夜勤の数も、ついつい数えてしまいますよね。
1回多い・少ないは気にすることはありません。
でもそれが毎月毎月ということであれば、やはりその多い同期と比較して夜勤を任せるにあたっての心配事があるということかもしれません。
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要領がいい、覚えが早い新人=質の良い看護が出来る?
新人の時は教えられたことをすぐに吸収出来て、応用が利くようなタイプが「出来る人」と評価されがちです。
教える側も一度で応用までできる人と何度教えてもうまくできない人だったら、自然と一度で出来る人が良いと判断してしまいますよね。
でも新しいことを吸収することが得意でも、それがそのまま看護の質の良さにつながるのかというと、必ずしもイコールではない気がします。
新しいことを覚えることが苦手でもその分、一度吸収出来たらしっかり自分の物にして丁寧な看護に結び付けられる人もいるでしょうし、たとえ要領が悪くても1人ひとりの患者さんをしっかりと観察できる人もいます。
覚えが悪いから、要領が悪いからといって、それがイコール看護師に向いていないということではないと思います。
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新人看護師の成長のスピードは人それぞれ
私は10年以上新人指導に携わってきたので、いろんな新人さんをみてきました。
それこそ学生指導から関わってきて、この子はきっと伸びると期待していた新人さんが1年もたずに辞めてしまったこともあります。
逆に学生の実習のときから、この子は本当に大丈夫だろうか?というくらい、本当に手がかかる新人さんが、2年目になってから急成長しとても頼もしい先輩看護師になったということもありました。
人の成長のスピードは人それぞれなので、成長が遅いから看護師に向いていないとか、成長が早いから出来る看護師だということではないんだな…とすごく実感しています。
今まで伸び悩んでいた人が、何かをきっかけにぐんと一気に伸びるということもあります。
私の場合はまさにそれで、1年目も2年目もどちらかというとぱっとしない、落ちこぼれな看護師でした。
3年目のプリセプターのときも常に先輩に謝ってばかり。
でも、4年目になり病棟の業務改善の一環で任された仕事を私のやりたいようにやってみていいよと上司に言われたことで成長できたと感じています。
私を信頼してやり方を任せてもらえたという喜びからこうしてみよう、ああしてみようと自分から動くことができ、それが自信につながったような気がします。
それから10年、気がつけば管理職にまでなっていました。
たとえ、新人の時は落ちこぼれのレッテルを貼られていたとしても、数年経ってから急成長を遂げる人もいます。
あなたが今、新人看護師として他の新人看護師よりも出来ないと評価されていたり、自分でそう感じていたとしても、それが全てではないということは忘れてはいけません。
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なぜ新人看護師さんは比較されてしまうのか?
成長のスピードは人それぞれだということは、みんな分かっているんです。
でも、先輩たちの多くはつい新人同士を比べてあの子はできる、この子はできないということを言いがちです。
新人看護師さんたちはみんな同じタイミングでその職場に配属され、同じ教育を受けて育ちます。
新人看護師さんが複数人いる場合、比較対象となるもう一人の新人さんがいる以上、どうしても比べてしまうものなんです。
特に、マンツーでフォローをしているプリセプターは、自分のプリセプティとよそのプリセプティを比べて、自分の指導力に自信をなくしてしまったりもします。
あなたともう一人の新人さんを比較することで、自分の指導力も他者と比較しているわけですね。
他にも、わざとそういった表現の仕方をしてあなたのやる気を引き出そうという狙いがある場合もあります。
○○さんはもう出来ているということを言う事で、自分もやらなくちゃという焦りを感じさせ、モチベーションを上げようという先輩側の意図もあるかもしれません。
他の新人看護師と比べて自分が劣っていると感じたり、評価されてしまったら
周りと比べたときに自分の方が良く出来ていれば問題ないのですが、たいていそういう時は自分よりほかの人が優れているように感じるもの。
先輩からもわざわざ「○○さんよりあなたはよくできるね」というようなことは言われなくて、「○○さんはもうできているわよ、少し見習ったら?」なんて言い方をされてしまいがち。
自分と何かを比較したいなら「過去の自分」と比べてみよう
先輩から言われてしまうのは仕方ないとしても、自分で周りと比べて自分はできてないと考えてしまう癖は治した方がいいと思います。
周りのことばかり気にしてしまうと自分のことが分からなくなってしまうし、自己肯定感が著しく損なわれてしまいます。
そうすると何をしても満足できず、ずっと苦しいままになってしまいます。
もしどうしても何かと比較して、自分の成長度などを測りたいのだとしたら、過去の自分と比較して考える方が良いと思います。
他の人と比べてみてもキリがありません。
でも過去の自分であれば前と比べて何がどう変わったのか、成長したのかがはっきりわかります。
そうすれば、今の自分に足りないものもおのずと見えてきて、次の課題を見つける手助けにもなるはずですよ。
先輩の助言は必要なところだけチョイスして
先輩の中にはすぐに他の人と比較して、いろいろ言ってくる人もいると思います。
でも、先ほどからお伝えしているように人の成長スピードには個人差があります。
早く仕事を覚えたから優秀とは限りません。
そのことを念頭に置いたうえで、先輩からのアドバイスに耳を傾けてみましょう。
他の人と比較して助言をしてくる先輩はある意味、とても客観的に後輩たちを見ることが出来ているとも言えます。
この子はこれが出来ている、あの子はあれがまだできていない、という風にみんなの成長度合いを把握している可能性が高いので、自分に足りていないものが何なのか客観的に教えてもらえるかもしれません。
同期の新人看護師と悩みを共有してみよう
新人看護師の1年間は多くの悩みを抱えやすい時期です。
同期との比較も多くの新人看護師さんが抱えやすい悩みの一つだと思います。
だからこそ、他の人たちも同じ悩みを抱えている可能性が高いのです。
だから思い切って、普段「出来る新人」だと思っている同期の子に、あなたと比べて私は出来ない新人で辛い…と相談してみるのも良いと思います。
案外、あなたから見たら何でもできるスーパー新人みたいに見えていても、その新人看護師も同じように、自分はこれが出来てないと思っているかもしれませんよ。
つらい新人看護師時代を共に過ごす同期ですから、よきライバル、良い理解者としてお互い尊敬できる関係でいられたらいいですね。